研究内容
高可用性ストレージシステム
本開発の第一の目的はストレージの分散化による情報の可用性の改善です。このために拠点の災害リスクを定量的に計算することで適応的に情報喪失を最小化できる新規な高可用性ストレージを開発することで、災害時の半数の機器が損壊した場合でも残存機器内の情報から90%超の情報を迅速に回復できるしなやかなストレージ基盤技術を構築します。
リスクアウェア複製 ● 従来の遠隔クラウドストレージへの複製に加え、近接拠点のストレージにデータをあらがじめ 複製します。 ● その際、同時被災リスクが低いと診断された 近隣拠点を選択します。 ● 同時被災リスクの定量化に地理的条件等を 用います。 |
マルチルートリストア ● 各々の被災・障害状況において、残存拠点、ストレージ、クラウドストレージからの複数の 接続ルートを確立し、応急代替え拠点へリストア を行います。 ● 地域ネットワークがダウン、もしくはその ネットワークに接続してない拠点の場合、 近隣の複製先拠点へ出向いて業務を再開します。 |
ストレージサーバの高速転送化
災害時には、緊急バックアップや輻輳回避のため大量のデータを高速で授受することが求められます。また、平時にも、高精細度映像のような広帯域情報が普及しネットワークトラフィックの増加とともに、昨今のストレージ系には高速・大容量性が求められています。垂直磁気記録の実績を踏まえてディスク線密度を向上させるとともに複数トラックの並列読み書きによりストレージ機器自体を高速・高密度化して次世代ハードディスク基盤技術として展開します。 同時に、ストレージ機器間の通信経路をソフトウェアで適応的に制御する技術を用いて高速データ転送化を達成します。
HDDよる高速データ転送 |
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● 従来の面密度重視から高線密度化設定法を 開発します。 ● 記録再生分解能の向上による短ビット化を 図ります。 ● 並列型に2次元記録再生方式を開発し データ転送の高速化を図ります。 |
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高速ストレージ間通信方式 ● データを系統的に細分化し、各ノードに分散的に複製を配置、複数ノードからの並列転送により 転送速度を向上します。 ● 静的・固定的に割り当ててきたストレージ間 通信経路を回線のトラフィック状況や優先度に 応じて、高速に転送できる経路に高速かつ動的に 切り替えます。 |
基本アーキテクチャ
● 制御ブレーン(コントローラ)とデータブレーン(スイッチ)の2階層モデルで SDNを構成し、コントローラにより回線の トラフィック状況等から高速転送のために 最適な経路選択・決定を行い、各スイッチを 高速かつ動的に制御します。 |
高機能性ストレージ基盤技術
モバイル系からクラウド基盤系までの情報を系統的にアクセス可能なプログラム機能を開発しビッグデータから関係データベース等広範な情報価値の利活用に供する情報基盤を構築します。
実証試験の実施
学内複数拠点間で構成される高可用情報ストレージシステムをベースにして仙台市内における投薬情報(電子「お薬手帳」)を例示とする高可用ストレージシステムの実証試験を実施します。モバイル機器を端末にし、拠点間冗長化ストレージと遠隔クラウド連携環境のハイブリッドクラウド環境下での耐災害性情報ディペンダビリティを実証します。
● 大学のキャンパスにストレージ基盤を構築します。
● 仮想マシンで100拠点設置を実現します。
● ダミークライアントで10~100万ユーザによるシステム利用をシミュレーションします。
● 大学のキャンパスにストレージ基盤を構築します。
● 仮想マシンで100拠点設置を実現します。
● ダミークライアントで10~100万ユーザによるシステム利用をシミュレーションします。